Tracers S&P500トップ10はFANG+上位互換か?

投資

5月16日開始予定の新投資信託が発表されました。その名もTracers S&P500トップ10です。その名の通りS&P500のうち上位10社を時価総額加重平均して集中投資する投資信託となっています。

基本情報としては発表された資料から抜粋ですが下記になります。

(出典 : nikkoam.com )

注目は信託報酬手数料の安さです。なんと0.10725%となっています。同じ10銘柄で人気があるFANG+(大和iFreeNEXT)の0.7755%と比較すると圧倒的な安さとなっています。ただし注意点としては過去Tracesから出た投資信託は他の投資信託と異なる手数料計算をしていたこともあり最終的な総コストがいくつになるかは運用報告書を見てみないと分かりません。ただそれでもFANG+の0.7755%よりは最終的には低くなりそうな気がします。他ライバルとなりそうなFANG+との比較をまとめています。

S&P500 Top10FANG+
指数S&P500 Top10NYFANG
構成銘柄10社 (時価総額加重平均)10社 (均等加重)
組入銘柄入れ替え年1回年4回
リバランスあり (四半期)あり (四半期)
信託報酬手数料0.10725%0.7755%

リバランスは同じ四半期ごとの年4回ですが、銘柄入替え頻度が異なっています。このあたりの違いがFANG+の手数料の高さともいえます。(NYFANG指数の利用料か?)

また構成銘柄についてもS&P500トップ10とFANG+について比較表にしてみました。

銘柄S&P500 Top10FANG+
MSFT21.9%10%
AAPL18.8%10%
NVDA13.9%10%
AMZN11.4%10%
META7.7%10%
GOOGL5.8%10%
BRK.B5.3%N/A
GOOG5.0%N/A
TSLA4.0%10%
UNH3.2%N/A
JNJ2.8%N/A
KVUE0.2%N/A
AVGON/A10%
NFLXN/A10%
SNOWN/A10%

S&P500トップ10はトップ10とありますが実際には議決権がないGOOGやJNJ(ジョンソン・エンド・ジョンソン)からスピンオフしたKVUEが入っているため12銘柄(会社数としては10社)となっています、時価総額加重平均のため24年2月時点のデータではMSFTが一番構成比率が高くなっています。

対してFANG+の方は10社で均等加重のためすべて構成比率は10%設定となっています。

一番の違いはS&P500の方はヘルスケア、金融(保険)のセクターであるJNJ、KVUE、UNH、BRK.Bが含まれているのに対してFANG+は10社すべてテクノロジー関連となっている点かと思います。特に最近は半導体相場が好調な点を考えると時価総額Top10のAVGO(Broadcom)がS&P500トップ10には含まれていない点もポイントかと思います。

セクター分散&時価総額加重平均のS&P500トップ10、セクタ一点集中&均等加重のFANG+と特徴は住み分けできているのかなと思いました。

購入時の違いとしてFANG+の方はつみたて/成長投資枠どちらでも購入可能ですが、S&P500トップ10は今後5年間は成長投資枠のみの見込みです。(対象指数に連動しない投信は発売後5年の実績がないとつみたて枠の対象とならないため)

想定リターンと手数料のシミュレーションもしてみました。どちらの投信も過去1年間の暴騰率をベースに仮想パフォーマンスを設定しています。

  • S&P500トップ10 : 54.16%
  • FANG+ : 58.98%

を仮想パフォーマンスとしています。この条件で成長投資枠年間上限の240万円を一括で投資した場合の10年間の総額・手数料は下記のとおりです。

年数SP500トップ10総額
(54.16%年率)
FANG+総額
(58.98%年率)
SP500トップ10手数料
(0.10725%)
FANG+手数料
(0.7755%)
12,400,0002,400,0002,57418,612
23,699,8403,815,5206,54248,201
35,703,6736,065,91412,65995,243
48,792,7839,643,59022,090170,029
513,554,95415,331,37936,627288,923
620,896,31724,373,82659,039477,942
732,213,76238,749,50893,588778,445
849,660,73661,603,969146,8491,256,184
976,556,99197,937,989228,9562,015,693
10118,020,257155,701,815355,5333,223,160

パフォーマンスは今回、仮想で54.16%と58.98%とかなり皮算用的な値にしているので注意してください、今回注目頂きたいのは手数料の部分になります。10年目で累計だとS&P500トップ10は約35万円ですが、FANG+の方は約322万円となっています。最もFANG+の方が最終的なリターンも手数料を補うほど出ていますので気にならないかもしれませんが、いずれにせよコンマ0.1%台か0.7%台の手数料の違いですが金額や投資期間が長くなると大きな金額差になる点は改めて認識する必要があると思います。

動画もあります。

本記事の話は動画でも説明していますので気になった方はご視聴ください。

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